心についてのメモ書き(15)-根幹

根幹について

この写真の人形は私の「根幹」のうちのひとつです。


私は物心がついた時から、人体のかたちをした造形物が無条件に好きでした。

幼い時は大魔神やウルトラマン怪獣の模型。

成長してからは仏教彫刻やルネサンス期の彫刻など、それを見るのが目的でイタリアの地方都市に出かけたりもしました(写真はその旅行時に購入したもの)。


不思議なことに人間誰しも、生まれながらに大好きなもの、あるいは、これだけは譲れないことなど=根幹を持っています。それは明確に形をとったものから、単に好き嫌いの感覚で認識されるものまで、それこそ人様々です。


しかしながら、たいていの場合は進学や就職を機会にその根幹を封印してしまいます。

「そんな夢みたいなこと言って、メシ食っていけんのか」とか言われたりしたかもしれません。

会社では、好き嫌いを言っていたら仕事にならない、と言われるかもしれません。


ですが、なにしろ根幹ですから、その人の生命力の源泉です。

根幹を持っていないことには生き生きと生きられません。


根幹と仕事が一致する人は稀です。

仕事はお金抜きに成立しないので、根幹はお金に関心がないので、どこかでぶつかってしまいます。

ですから、(とりあえず)根幹と仕事はしっかり区別した方がよいのです。


自分の根幹を既に自覚している人は、その根幹を守り、あるいはそれを楽しむために、ある一定の時間仕事をする、そのうち徐々に両者を重ね合わせる部分が少しでも作れるならラッキー。

まだ根幹を自覚していない人は、このことだけでも覚えておいて、無闇に仕事に自分の価値観=根幹を預けない。


そんなことが現代では妥当でまっとうな大人の生き方だと思います。

 

2015年11月18日