心についてのメモ書き(16)-仕事とお金

仕事とお金について

「仕事を辞めるなら、死ぬまで最低限のお金を毎月振り込みます」と言われたら、あなたは仕事を辞めますか?


この場合の「最低限のお金」とは本当に最低限。

家賃は5万円、大都市ならオートロック付きのマンションは難しく、「カンカンアパート」に住むことになるでしょう。


家賃以外に対する手当は7万円、水光熱費・食費・スマホ代・服代を払うとあまり残らない。
病院に通ったりすると、オーバーするかもしれない。お酒だって4リットルのペットボトル焼酎にして節約する必要があるかもしれない。旅行はまず行けないでしょう。


しかしながら、何も仕事をしなくても一応生きていけるだけのお金はある。
毎朝早起きして会社に行く必要はない、今後ずっと。


こんな問いかけに、反射的に「悪くないな」と思ったり、心を動かされるようなら、現在の仕事や仕事を含めた生き方に心から納得していないのかもしれません。


そう考えだすと、今後の人生において、どれくらいのお金が必要か、そのお金を稼ぐのに今の仕事を続けることが必要か、あるいは続けるにしても労働時間をどうしていくか等自分の価値観について具体的に考えることが可能になってきます。


すると、自分の譲れない価値観や対象(=根幹)とそれ以外の「方便」として使用している部分が区別されてきます。
それは、自分の核を守り、同時に生きる術を心得ている、という強靭な二枚腰のような風合いをもっています。


私はたまに、仕事がつらいとこぼす人に「仕事は時給のいいアルバイト」みたいなセリフをつぶやくことがあります。
アルバイトはたいがい時間も限定されていますし、生活においてアルバイトの比重は決して最大ではない、むしろ他の何かをするための手段にすぎない。


こんな言葉もまた、固定しがちなその人の「常識」を揺さぶって、主体的に自分の人生を考えるための投げかけのひとつであります。


2015年12月8日