サラリーパーソンの護心術−ランチ

ランチはひとりで

会社でのお昼ご飯は誰と食べていますか?

上司や同僚と、社員食堂や近辺のお店で食べておられる方が多いと思います。

 

食べている時の会話は、上司が居るならしばしば仕事の話になる。

そんな時は、正直あまり食べた気がしないと思います。

でも、気兼ねしない同期入社のヤツとなら、うっぷん晴らしがてら気楽に食べることができたりする。

 

睡眠・性・食は、身体の最も基本的な行為であるわけですが、同時に心の内奥に関わる営みでもあります。

行為の質が高い場合には、心から生きているよろこびを感じる。

 

そして、極めて個人的な営みです。

睡眠も性も、社会のルールを気にしながら為す人はいません。

同様に食も、誰と一緒に食べていようとも、香りや味、リラックス感という極めて個人的な感覚が満たされてこそ満足する

 

そんな空間に「上下関係」とか「組織の目標」など会社の色がついた非個人的な要素が入り込むと、「私の営みが邪魔された」と心が察知して、身体も萎縮してしまいます。

 

ですから、「和気あいあいと周りとやるべきだから・・・」と職場の人達と一緒に食べていても、ゆっくり食べた気がしないな、と感じる人はひとりで食べる時間を増やす」ことが大事です。

 

気兼ねしない仲間が近くにいないなら、ひとりで食堂にいく。

それが少し気になるなら、お弁当を持ってきて、デスクや公園でひとりで食べます。

 

前日にご飯を炊いて、弁当箱につめて、おかずはありあわせのものを入れておしまい、梅干し一個でもOK、手間をかけない(夏は冷蔵庫に入れておく)。でも「心」が弁当に入ります。

仕事の話をしながら食べる唐揚げ定食より、ゆっくりひとりで食べる日の丸弁当の方が、心はもちろん身体にもいいという気がします(コンビニ弁当は「心」が入っていないので避けたいところです)。

 

周りの人間関係を踏まえたうえで、それでも気乗りしない人達と昼食を共にせざるをえない人には、昼休みに5分でも眠る」ことをおすすめします(本当は15分くらいが理想的)。

眠りは最も心身を休める作業ですし、なにしろひとりにならないとこれをするのは不可能です。

 

「わたし、ちょっと寝たいので」とか言って、毎回早めに抜けてくればよいのです。そして自席で目をつぶる。

質の低い食事に疲れている心は、喜んで即座に睡眠スイッチを入れてくれます。

 

(たまにこちらが寝ていても、仕事の話をしてくる人がいますが、かまわず寝たフリをします。

それでも止めないときは「昼休みだから」と言っておきます。

昼休みは就業時間外ですし、ひとりの時間を確保するためには、これくらいは言っておく必要があります。)

 

短い時間のなかでも、身体と心の両面にわたるよろこびを自覚して行うと、本当の休憩時間になると思うのです。


2016年1月14日