うつからのメッセージ−自然な反応

自然な反応

朝、会社に行こうと思っても、起き上がれない、

会社に行っても、普段はこなしていた仕事をやる気が全くしない。

 

うつの経験がある方なら、似たような状態を覚えておられると思います。

 

この状態は、うつの自覚が始まった初期段階で経験される場合が多いと思います

 

何か変だ、いつもと違う、という「普段」と違った感覚が生じてくる。

 

また、その違和感ともいうべき感覚が始まると同時に、足が前に進まない、とか、考えることができない、など有無を言わさないカラダの反応がある。

 

この初期段階であるからこそ、ある意味でフレッシュな違和感感覚やカラダの反応は、うつの意味を読み解くキーであると思います。

フレッシュなうつ感覚は、その人にとって、一番重要かつ緊急なことに反応していると考えられるからです。

 

悪いものを食べると下痢をしてカラダがそれを排出する、

インフルエンザウイルスに感染すればカラダが熱を上げることでウイルスを死滅させる。

下痢の状態が病気ではなく、下痢をさせている腸が正常に働いているだけである、

熱があるのが病気でなく、熱があるからこそウイルスを殺すことができる。

 

話が外れたようですが、うつの初期状態もこんなカラダの反応と同じ意味だと私は考えています。

その人の自然な(カラダとココロの)反応だということです。

 

おそらくは、今のままの(自分にとって「普段」と思っている)働き方に、ココロが異物感を感じているので、違和感がおこってきている。

連動してカラダも異物感を感知して、有無を言わさない実力行使に乗り出している。カラダを守るために。

 

そんなフレッシュな感覚の周辺や経緯や対象に、多くのキーがひそんでいると思います。

そして、そのキーの正体が「違和感」の元だと思います。

 

それは多くの場合、いい会社に入ることが幸せだ、とか、結婚するのが当たり前だ、とか疑うことなく従ってきた価値観だったり、社会に溶けこむために必要だと教えられた規律だったり、と自分以外の周囲から与えられたものです。

ですから、うつの状態には、あたかも鏡を見るような大事な意味があるのです。


2016年2月21日