うつからのメッセージ-犬を被る

犬を被る

犬と会うと顔を見ます。

するとほとんどの犬はこちらの顔色をうかがうような目で見返してきます。

 

猫に会っても顔を見ますが、たいがいの猫はこちらを一瞥しただけでどこかに行ってしまいます

 

印象でいうと、犬は人間の幼児〜少年期の反応、猫は人間の(一部の人の)壮年〜老年期の反応です。

 

これは、犬が人間社会に組み込まれていて、人間の反応を気にして生きるように訓練されているからだと思われます。

これは、つまるところたいがいの日本人が産まれて以降、学校や社会や周囲の反応に合わせるように教育されて育てられることととても似ている。

 

猫の方は、「はいはい分かったから、そっちはそっち、こっちはこっちで好きにやるから放っといて」という趣で人生を一巡した人のようなかれた雰囲気がある。

彼らは、人間社会に取り込まれることに興味がないし、むしろ反発しているように感じます。

首輪をつけている猫に会ったことはありませんから。

 

要するに、犬は生き延びることを優先にしているのでしょう。

そのためには服従しても不自由でも我慢する。

 

猫は、生き延びることよりも、いやむしろ「良く」生き延びるために、群れることや服従よりも自由を選んだのでしょう。

 

甚だ勝手な喩えですが、うつになる人はもともと猫的な気質があるのではないかと思う時もあります。

束縛されることを嫌い、また束縛することを嫌い、自由を愛する。

 

経済成長とか自己実現など、何かを成し遂げれば幸せになれる、という犬的訓練を強要されるこの時代にたまたま生まれてきて、そんな訓練を施されてしまった猫的な人間・・・。

 

ですから、ゆっくりと自分を見つめ直し、勇気をもって猫に戻ってよいと思います。

人間関係や仕事など、必要な場合に最小限の時間だけ犬の仮面を被ればいいのです。

そのことを自覚する、つまりどんな時も本当の自分を保持しているのだという感覚、があればだいぶ違うと思います。

 

2016年4月11日