「3.11」から6年をむかえるにあたって

6年前の今日、私は当時所属していた会社で仕事をしていました。

オフィスは都心のビルの26階にありました。

 

あの激しい揺れの直後、私はなぜかふと感じました。

「もう仕事をしている場合ではないな」

そんな微妙な感覚を覚えながら、何時間も歩いて自宅に帰りました。

 

翌週も通常通りに会社に出勤しましたが、

「仕事をしている場合ではない」という気持ちは、

仕事への興味やエネルギーの喪失というかたちをとって、私をとらえていきました。

 

「この気持ちはなんなのだろう」と自分でも戸惑っていましたが、

やがてその気持ちは、「なぜ仕事をするんだっけ?」あるいは「生きるってどういうことだ?」という今まで抱いたことのない疑問となり、それは自分のなかで強く明確になりはじめました。

 

そんな気持ちや疑問を相談できる相手は見つかりませんでした。

一年たった頃に、幸運にも哲学や心理学の良書に出会えたことで、私は自分の疑問に自分なりに取り組めるようになりました。

 

「なぜ仕事をするのか」や「なぜ生きるのか」という根本的な問いかけをきちんと受け止めて、共に考えてゆける存在でありたいと私は思っています。

 

2017年3月11日