ココロを大切にして働く⑨

まとめ編その1‐ある時期まではこれが安全

 

 <A:ある時期まではこれが安全>

 

人生

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生き方(私が〜)    お金

(ココロ)     |

          仕事

         (アタマ)

          |

          学歴

         (切符)

 

初回に示した考えを図にしたものです。

 

・(私が〜)はかっこ書きになっています。

それは、若い時期はどうしても親や周囲の声に左右されてしまい、確固とした自分、つまり自分のココロを保ち、「誰が何と言おうと私は〜する」と堂々と「私」を表現するのは現実問題難しいと思いますので、括弧書きとしています。

自分を確立するまでの間の枠組みとして、この体系を提案するものです。

 

・もし、ココロと同格にアタマを置くと、アタマの声は大きいですから、この段階ではココロが負けてしまいます。

つまり、子供の時から受験や就職活動に頑張った来たであろうアタマが、勤め人になった後も主導権を握り、仕事あるいは会社のことで「アタマがいっぱい」になり、自分(ココロ)を圧迫するようになる危険があるということです。

 

・現実として、若い時期から自分の感性にあった仕事を自力で選び取れる人はほとんどいません。

いかにいい大学を出て、一流企業に入ろうとも、大多数の若い人が行っている仕事は実はやらされ仕事です。

やらされ仕事を自分の生き方と同格に置きたくはないですよね。

 

・しかし、アタマはそれがやらされ仕事とは気付かず、人生の成功の階段を登っていると勘違いすらしていることもあります。

身も蓋もないようですが、やらされ仕事であるならば、お金=給料のための行為、と正確に認識することが必要です。

従って、お金の下位体系に仕事があるのは、事実でもあるのです。

また、お金自体にはアタマが入り込む余地はありません(お金の計算にアタマを使えば、むしろアタマの有効活用ですが)。

 

・仕事は100%お金のため、という割りきった考えで仕事を続けると、仕事自体が無味乾燥としてくると思います。

アルバイトの場合なら、何時間働いたから何千円入るという思考が充分なモチベーションとなりますが、数年以上の長期間働くことが想定されている仕事では、お金以外のモチベーションも必要となることは容易に想像できます。

 

実は、その無味乾燥という感覚こそがポイントです。

生きるために不可欠のお金をまず考える、しかし仕事にも何とか意味を見出したい。

そんな地に足のついた、自らの人生のバランスを取ろうとする思考があってはじめて、仕事に対し自分なりの生き方・やり方を見いだしたり、努力して作りだしたり、また仕事自体を変更・選択できるのです。

 

・一流企業に入るための学歴なら、それは単なる切符です、どこかの会社に一旦入れば持っていても何の役にも立ちません(但し、切符と割りきったうえで手に入れることには一定の意味はあるかもしれませんが)。

ですから、学歴は仕事のさらに下位体系に位置します。

しかし、自分が興味の持てる「学問」を発見するなら、それは左側の「生き方」という上位の体系に入るでしょう。

ある程度の年齢になったら子供にこのことを伝える必要があると私は考えています。

 

・相応の人生経験を積み、ココロの声を聞けるようになるまで、この体系が安全かと思います(と言っても20代でココロの声を聞けるようになる方はあまりいないと思いますが・・)。

もちろんこの体系は過渡期的なもので、なるべく早い時期に成熟した体系に移行せねばなりません(後日、<体系D:人間本来の姿>として書きます)。

若い方には、ココロが主語の生き方をこの体系の中で身につけていって頂きたいと思っています。


2017年3月30日