うつからのメッセージ‐人生が夏休み②

人生が夏休み(後)

(承前)

 

話は少し戻って、うつの時間についてです。

 

うつになると億劫(おっくう)になります。

普段何気なくこなしていたことなのに、気合いを入れないとそれが出来なくなる、

休日の朝などはずっと布団の中にいて誰とも会話したくない出かけたくない、

そんな経験をお持ちの方もいると思います。

 

億劫とは「無為」をココロが欲している状態です。

 

勉強がどうの、仕事がどうの、とアタマが余りに出過ぎたまねをしたのです。

人生は全体通して夏休みで、楽しいことをたくさんするはずだったのに、ほぼ毎日が登校日になってしまったようです。

夕方も夜も宿題(仕事)をしなくちゃ!

そんなサラリーパーソンも多いけれど、下手すると子供も今こんな感じかもしれません。

 

仕事の時間、勉強の時間が長いというのも問題ですが、

一番の問題は、今が、毎日が、夏休みなんだということを他ならない「私が」忘れたことです、

私以外の何かに夏休みの計画を預けてしまって、自分の思うように遊べないことです。

 

そんな自分があまりに辛いので、ココロがアタマを引きずって無為状態に突入します。

それがうつです。

ココロはへそを曲げています。

今の生き方に我慢ならなくなっています。

 

へそ曲げがとりあえず治るには何もしないで、アタマであれこれ考えないで、無為のままでいるのが一番です。

それをするのに一番いいのがうつの状態なのです。

 

実は、無為はアタマからみての状態です。

ココロは無為の時間のあいだ、休養すると同時に、たくさんの観想をしています。

観想のなかには、自分らしい感性を取り戻すことも含まれるでしょうし、自分に合った活動の方向性を見出すこともあるでしょう。

それは、まさに夏休みの計画を自らの手で立て始めていることであります。

 

そのことをアタマが汲み取る機会は必ず訪れます。

ココロの観想を受け取ったアタマが、それを具体的に現実的に表現・実現し始めるのです。

その時が生き方の視点をシフトするときです。

 

人生のメインは正真正銘夏休みの状態なんだ!と。

(他人が立てた夏休みの予定なんてゴメンだ!と)

 

ココロが何に我慢ならなくて無為を必要としたのか?

無為の時間を過ごし、休養をたっぷり取った後、

アタマもゆったりと時間を使って、本を読んだり、人とコミュニケーションをとったりしながら、自分の生き方を振り返り、これからどういうふうに生きてゆくか、感じ考えてみましょう。


2017年4月27日