心についてのメモ書きー技法の応用⑧

カウンセリングの技法を日常へ応用する⑧ーリフレーミング

リフレーミングとは、感情のフレーム(枠組み)を捉え直すことです。

心理的な意味付けを転換することで、クライアントが劇的な変容をとげることもあります。

 

会社に毎日行かないとまともな人間になれない、といったいささかの強迫観念をもつ人がいた場合、

「毎日会社に行かないでどうやってメシを食べていくんだ」とお説教したのでは、リフレーミングは起こりません。

 

「ああ、毎日会社行きたくなくて、まあ当たり前ですよね」とこちらが言ってみる。

すると、その人のなかで、

「会社→行くべき→まともな人間」というその人のなかで「当たり前」だった意味付けが、

「会社→行かなくていい!?→???」というように、今までの意味付けへの問いかけ、別の意味付けへのスタートになっていきます。

 

そして、

「(今の)会社→行かなくていい→(別の)会社や仕事→行ってもいいかもしれない→「まともな人間」って単なる思い込みか!」

あるいは、

「会社→行かなくていい→よく見ると周りの人も時々手を抜いてるな→行きたくなくてむしろ当たり前→やれる範囲だけやればいいや」等と、

「会社」に込められていた意味付けを自らリフレーミングできるようになります。

 

但し、やみくもに反対の意味付けの方向にクライアントをリードすればいいということではなく、あくまでクライアントが無意識に感じてはいたもののずっと隠していたリフレーミングの種子のようなもの(コンテクスト)を汲み取って、最小限の導入コメントをそっとほのめかすことによって、クライアントが自らそれまでの意味付けを壊し、新しい意味付けを獲得していくのが、リフレーミングの姿です。

リフレーミングとは、「自分にとって心地悪い意味付けなら、もっと心地良い意味付けを採用しなさい」とものの本にも書いてあります。

 

リフレーミングは何も難しい作業ではなく、昔からの人間の知恵です。

私は小学校の時は飛び抜けて背が小さく、心配した両親が大学病院に連れて行ったこともあるくらいです。

そんな時に学校で習った歌をよく覚えています。

この歌は「ちび」でいじめられていた6歳の私が自分でリフレーミングをするカウンセリングのようなものになったと今では思っています。

 

おまえはちびだと言うけれど

仕方がないのよ生まれつき

わたしのいいとこ知らないの

頭がよくてかわいいの

 

おまえはでぶだと言うけれど

仕方がないのよ生まれつき

わたしのいいとこ知らないの

気は優しくて力持ち

(作詞作曲者不明)

 

2018年1月23日