症状が能力に
私自身カウンセリングで大事にしていることですが、
症状を際立たせているもの、
例えば、
・四角四面な硬直思考でココロを余計に抑圧している、
・ひと目を気にし過ぎて対人恐怖がある、
・人付き合いが苦手でそのことで仕事がうまくいかない。
といった人は、裏を返せばこのような能力があります。
・緻密な知性を駆使してライターなどの仕事が得意、
・他人の感情変化に鋭敏なので、対人援助職に適正がある、
・独りで何かの作業に長時間集中するような仕事に向いている。
実際、その人にとって、マイナスもしくは邪魔だと思っていた特性を肯定して活かすように助言すると、打って変わったように回復される方もいます。
これは、その特性こそがその方のパーソナリティの根幹だったということを証明しています。
そのような部分が動き出すと、情動や肉体等次元の違う各所に劇的な変容が短時間に起こります。
お笑いコンビナインティナインの岡村さんは、一時期重いうつだったようです。
生来の生真面目さ、几帳面さが「〜しなければいけない」という強迫観念となってココロを押しつぶしていたのでしょう。
しかし、おそらくはそういう強迫観念に気付いていき、本来のパーソナリティを繊細さ、広い意味での気遣い、という方向に活かしていく過程でうつから回復したのでしょう。
今の彼には、うつを克服した方=本来の自分を生きている人特有の臨機応変さ、大胆さ、力のぬけたメリハリ感が感じられます。
うつ等から回復した人がよく言うことばに、
「既に知っていたけれど、そのことを自信とともに思い出した」というものがあります。
もともと自分の中にあった何かを、自分の人格の核になるものとして再認識し、それを人生観・価値観の柱にして生きていいんだ!という気づきに至ったということです。
これは巨大な情動の震えと共に起こります。
ココロだけでなく魂の次元に至るスピリチュアルな感動です。
アーハ体験とも呼ばれます。
特性はひとりひとり全く違います。
性格的なもの、身体的なもの、明らかな特殊能力、特定の事物への強い興味etc、そしてそれらが複合しています。
現代社会では、画一的な価値観のもと家庭・社会で生育される場合がほとんどなので、特性がむしろ否定されることもあります。
特性が否定された結果が精神的苦しみであるなら、その症状の裏返しがその人根幹の能力であることになります。
そういう視点を持っておくと、ぱっと道が開けることもあるのです。
2018年8月6日