3.タイプ③ー外向タイプ
外向タイプは、サービス精神旺盛、チームワークでの活動も得意で、人間関係から孤立して寂しくなることなどない、といったタイプの人です。
しかし、病的な方向にそれが出ると、対「他者」に心を向けることで、不安をまぎらわしたり、寂しさや怒りの捌け口に他人を用いたりします。
弱々しいへつらいであれ、上から目線的な態度であれ、なんらかの形で他者に依存することで、本当の自分に向き合うことを避けてゆく方向にタイプの特徴が現れます。
そこには、基本的に受け身的な姿勢があります。
他者に心を向けるのが生来得意なのですが、防衛的に心を用いれば、肯定感や安心感をほぼ全て他者に頼る方向にいってしまいます。
自分よりも他者に軸を移している味わいが出てきます。
実際相対して、感覚を研いでおくと、どこかねっとりとからみつかれるような雰囲気があることも時々あります。
やけに愛想がいいな、内心疲れないかな、という連想がこちらに湧くこともあります。
愛想をよくすることで、他者の歓心を買い、他者のエネルギーを自分に注いでほしい無意識の思惑があるのかな、という推測もできます。
そういう微妙ながら自然に湧いてくる感触をカウンセラーが察知することが、タイプを知ることであり、ひいてはその人固有のパーソナリティーの理解につながります。
また、受け身性に加え弱者としての意識が固定していることもあります。
他者に依存しがちなので自分に自信を持てず、それが定着すると、無意識のうちに、自分は弱いので他者にどんな言い方をしてもいいんだ、苦労は100%報われて当然なんだ等と思い込みます。
どこか視野狭窄の雰囲気、意固地になってわがままを言っている子供のような味わいがあります。
そういう傾向が強くなると、自分の内側の感情を抱えていられなくなって、感情を外側で起きたことにする投影的防衛を用いて、本当は自分で自分や他者を信じられないのに、他者が自分を信じていないと幻想を抱き、被害妄想的な感情をもつようになることもあります。
すると、もともとのタイプとして外向性があって、それが親や生育環境との関わり合いのなか心的現実として、外向性と繋がりの深い投影を早期から用いるようになった可能性を、その人の精神構造形成の歴史として仮定できます。
このようにタイプと防衛をクロスして見ていくことで、その人のパーソナリティーへの理解を深めていきます。
2019年6月18日