自己否定感と罪悪感⑦

基本的葛藤 その2

親への不満や反感があるのに、そういう感情を押し殺し、親との一体感幻想に浸る、親に認められたいがための際限ない努力に縛られる。

 

要は本心を言えば、「やりたくてやっていることではない」のです。

 

けれども不満や反感は処理されないで、心の底でくすぶり続けている。

 

抑圧された感情と親への迎合。

これが人間の基本的葛藤です。

おそらく全ての人間が、多かれ少なかれ経験する葛藤です。

 

感情というものは、むやみやたらに出てくるものでなく、発生する必然性をもっていますから、くすぶったままで、表現されたり処理されないとそのまま残存し、10年20年30年経った後心身症状となって現出します。

 

それは身体や心からのメッセージという形で送られてくる。

(自責感で)息苦しかったり、(自己否定感で)不安だったり、というある意味不快感の表明=やりたくてやっていることではないのだ、どうにかしてほしい!という訴えのもとに。

 

しかし、本人は一体化か強迫か、どちらにしろその方法を幼児の頃から毎日のように身につけていきますから、青年期になる頃にはその精神構造が常態化しています。

本人にとっては「そうするのが当たり前」という感覚になっています。

 

すると、心身症状が現れても、この基本的葛藤には気づけなくて、「なんか体の調子が悪いな」と思い、内科に行ったりする。

「異常ありません」と言われて、睡眠薬をもらってきたりすることになる。

 

いずれにしろ、一体幻想や強迫には見えない不満や反感が常に付随しています。

それゆえの幻想や強迫であり、心身症状であります。

 

2020年5月27日