強迫・妄想グループ その1
前回書いた「自分で作りだした」自己否定感が強迫・妄想グループの出発点となります。
強迫・妄想グループの根本は具体的には、幼児が母親との間で「自分はここに居てはいけないんじゃないか?それはもしかして自分が悪いからじゃないか?」という大きな不安を持つことです。
それが、「自分が悪いなら自分をさえ直せば親は自分を見捨てないんじゃないか、じゃあ頑張って直さなきゃ」という心理になっていき、それが強迫性を生み出します。
張り詰めて頑張りますから、幻想・憐憫グループのような、幻想性・ぼやっとした母親一体感はそこにはありません。
自惚れや耽溺等の自己満足的な気分とは対象的に、親を振り向かせるための懸命さ、焦り、あるいは親に認めてもらうための自己犠牲、必死のアピールの雰囲気があります。
強迫性は「自分は〜しなきゃいけない」という気持ちに代表され、「〜したい」(自発性)と対比的に使われる心理です。
「自分が何をしたいのか分からない」や「そもそも自分の感覚が分からない」という言葉は、強迫性的な心理を表しています。
ですが、カウンセリングが進んでゆくと、必ずその人特有の感性や感覚が見え隠れしてきます。
それは、長年置き去りにしていた(ようにみえた)自らの自発性が、実は内部で自分を支えていた、あるいは表現されることを待っていた、ということに思えます。
自分の自発性に触れた瞬間、その人の表情がぱっと明るくなるのが分かります。
カウンセラーだからでなく、誰が見ても分かるほどのフレッシュな雰囲気が出てきます。
2020年7月4日