自己否定感と罪悪感⑫

強迫・妄想グループ その3

条件づけられた生(強迫性)を生きていると、「無条件」である本来の自分(自発)を顧みていないので、苦しくなるのは当然です。

 

そうなると、現在の強迫性に対して、本来の自分からメッセージが発せられてきます。

 

そのメッセージの代表的なものは不眠です。

眠りという現象はとても意味深いものだと私は考えています。

 

簡単に言うと、本当の自分を生きていれば充実感があるので眠れる、逆に偽物の生=強迫性を生きているならば、いわば「心がお留守」な状態なので不全感が常にあって、それゆえ思い残すことがあって気持ち悪い、したがい気持ちよく眠れない、ということだと思います。

 

この不全感こそ、「基本的葛藤」の項で書いた「親への不満や反感があるのに、その感情を押し殺し、親との一体感幻想に浸る、親に認められたいがための際限ない努力に縛られる」心理状態が引き起こすものです。

 

さて、自己否定感を持つ方には、寄る辺なさの感覚=不安がありますが、不安な自分にとどまって自分と向き合うことができず、なんらかの手段でその不安を解消しようとする傾向があります。

 

それは不安から逃げたり自分を麻痺させるという方法をとる場合が多いです。

不安を解消するためには、なんとかして、なんでもやってみる気になる人が多い。

 

「なんとかして」は、曖昧さや不確実なものに留まる忍耐がない(=強迫性)気持ちから来ていて、そこには切迫感、余裕の無さといった雰囲気があります。

 

すると、継続的な努力を要するものでない方法、つまりある程度のお金さえあれば、すぐに、簡単に、やれる方法に向きがちです。

 

2020年7月29日