「グッドマザー」と「バッドマザー」③

親と子供の視野のズレ

子供と母親でパーソナリティのズレがある。

大人である母親はそのパーソナリティを「一貫」して「良かれ」と思って、育児の場で実行し続ける。

 

すると、そのズレにおいて、子供の側は繰り返される母親の態度に、当初はショックを受け、すぐに不安を感じ、やがて自分自身の感覚を疑い始めます。

 

言い換えると、子供は母親にズレなく100%全面的に共感・支持してもらって当たり前、つまり母親を自分だけが排他的に独占できて当たり前なんだ、と少なくとも生まれた当初は思っている、ということになります。

 

人間の赤ちゃんは母親を独占するくらい四六時中世話してもらう必要がある、という生物学的な事実からもきているのでしょう。

 

そんな独占感、「ズレなんてあると思っていない」幼児が、実はズレがあるんだと感じた時のショックの大きさは相当なものではないでしょうか。

この、ズレがあるんだと感じた時のショック、が後の精神構造を形成するスタート点だと言えます。

 

そして、そのことに対応した子供内部での混乱、不安。

独占できてるはず↔独占できていない?という真逆の思い、葛藤。

 

はたして子供は、母親を完全に独占できるわけではない、という現実を「はい、そうですか」と簡単に受け入れることができるでしょうか?

 

そうはならない所に人間が育つうえでの難しさがあります。

 

2020年10月31日