「バッドマザー」を受け入れられない
幼児は母親とのズレおよびそれを感じたショックを一旦認識はします。
が、徐々に無意識にしまい込みます。
しまい込む理由は、ショックによる不安が大きすぎて生存するのに不都合だからです。
無力な幼児にとって絶対的存在である母親とのズレというのは生きていくうえで危険でさえあります。
なので、危険を「見ないように」「感じないように」しておく必要があるわけです。
ですが、もちろん、それを無意識のなかに隠したにみえて、完全に消去できるわけでもありません。
ショックを受けて以来子供は潜在的な不安を常にもっています。
この母とのズレのある関係性から、「バッドマザー」が登場してきます。
危険な母=バッドマザーというあるまとまった感覚群が無意識下に形成されていきます。
この不安を原点に、常に母親の顔色を伺ったり、どうやったら自分と母親との関係を良好に保てるか子供なりに考えていくようになります。
しかし、こういうことは無意識に継続的にやっていきますから、ある意味当たり前の感情・思考として子供には経験されます。
カウンセリングの初期に「お母さんを嫌いだなんて思えない」と言う方は多いのですが、これは母親とのズレを無意識下に抑圧して本人には当たり前になっているもの、と思える例が多いです。
2020年11月13日