「グッドマザー」と「バッドマザー」⑦

大人になってどう現れるかー思い込み

「グッドマザー」と「バッドマザー」を両立しないものと考えている心理。

それは分割したままの精神構造と言えます。

 

憎むことができないから、好きなままでいなくちゃならない。

逆も真なりで、憎んだら好きなままではいられない。

 

そして、好きなままでいられない状態とは、見捨てられて孤独になることだからそれは絶対に避けたい。

 

孤独という恐怖が背景にあるので如何ともし難い衝動があるのはやむを得ないのですが、こういう心理自体になにか硬直性を感じないでしょうか。

この「硬さ」がその人のパーソナリティや生育環境とあいまって、その人特有の様々な思い込みを形成してゆきます。

 

例えば、「苦労しなくてはいけない」という思い込みです。

 

このような思い込みをもつ人は、生活や人間関係で苦労している親の愚痴を聞かされ続け、愚痴を言う親(バッドマザー)を抑圧し、親を助けよう(グッドマザーで居てほしい願望)という思いが出てきて、成長するにつれ献身とか自己犠牲的な「硬い」しかし基本的な自己イメージが定着してくる。

 

そこには、往々にして親以上に幸せになってはいけないという気持ちがあります。

親の犠牲になっていればグッドマザーと居続けることができる。

常に親が一番、自分は二番、つまり親より幸せになってはいけないという「硬い」ルール・価値観のようなものができてくる。

 

そして(親への)罪悪感を伴った、苦労してはじめて一人前という思い込みを持つに至る。

 

すると、会社の上司の顔色や勤務評価を過度に気にしたり、周りが残業していたら自分の仕事が終わっても帰ったらいけないんじゃないか等の心理になってきて、それが精神的なストレスにつながります。

 

2021年1月10日