「グッドマザー」と「バッドマザー」⑩

大人になってどう現れるかーナルシシズムと自己否定感(続)

一方、ズレを与えてくるところのバッドマザーと居る心理から、自己否定感、劣等感、自己嫌悪、自己評価の低さ等が生まれてきます。

 

想像ですが、親とのズレを感じたショックが大きくて、なにか自分がこのままの自分でいてはいけないんじゃないか、自分が存在することや言うことが親に迷惑なんじゃないか、という自分の身の置き所がないような気持ちが徐々に形成されていったのではないでしょうか?

 

必然的に、自分の意志とか気持ちを自分で持て余すというか軽んじる感じになってくる気がします。

そこから、自主性とか主体性の度合いの低さが特徴的になってくるのだと思います。

 

大人になっても、些細な人間関係のいざこざを気に病んだりする。

まずは自分がなにかヘンなことをしたんじゃないか、相手をどのくらい怒らせてしまったんだろうと不安になる。

 

つまり「自分が自分が」と自分の側の粗探しばかりをやっている。

 

しかし、そこには、起きた出来事の事実を冷静に観察する視点=主体性が欠けているように見えます。

たいてい粗は自分以外にもあるものなのに。

 

事実を冷静に観察する為には、ある意味自分を突き放す感じ、独り踏ん張って向き合う感じ、が必要なのですが、その突き放す感じを持てず、どこか「のまれている」感じがあります。

 

この「のまれている」感じは、自己否定感の強い方がよく言う「自分が悪いと思うとなぜか収まりがいい」と雰囲気が似ています。

 

2021年2月26日