カウンセリングという体験について①

実際に体験すること

今回からは、基本の基に立ち返り、素朴にカウンセリングというものを考えてみます。

 

前回カウチ環境について書きましたが、私自身が初めてカウチ環境を体験した時の事などを改めて思い出し、横になって自分のことを話すことについて、文章を書きながら考えていました。

 

それと、その文を書いた日の夜に映画「マトリックス」を見ていましたら、「道を知ることと実際に歩むことは違う」というセリフがありました。

自分が「救世主」ではないのではないかと悩むネオに対し、モーフィアスがかけた言葉です。

 

預言者の女性に「残念ながらあなたは救世主ではない」と言われたネオですが、最後には周囲の制止を振り切って、無謀と思われたモーフィアスの救出に挑み、その行動が自らが救世主に成ることにつながっていきます。

 

この映画のセリフと自分のカウチ体験がつながる感じがありました。

 

つまり、あれこれ心配して考えて知ろうとするよりも、実際に体験することが決定的に重要だ、ということです。

 

自己啓発等のハウツー、マニュアルの類、研修プログラムなどの感じとは正反対の感じ。

分かりやすい言葉ではないが、なにかどこか深みのある、芯に関わってくる感じ。

 

それが本当のカウンセリングの体験だと言いたいのです。

 

禅でいう不立文字も同じ意味です。

悟りについて本当に肝心なことは文字では説明できない、身をもって体験体感するしか術はない。

 

2021年6月4日 佐藤