カウンセリングという体験について⑤

気づき

自己観察が積み重なってゆくと、自分の心理的な傾向について「わかってきたぞ」という感じを持つようになります。

 

ああ、自分の思考や行動の傾向の大元はここから来ているんだという感覚。

色々な思考や行動にでている傾向は、表面上の細かい違いはあるにしても、骨格はみな同じだなという感覚。

 

例えば、ひとりでいることは嫌いではないが、人間関係を深められないことに漠然とした不安がある、そんな相談内容を持ってカウンセリングに来た方がいるとします。

 

その方は、このようなことをセッションで話します。

 

・友人付き合いで、明確な理由もないのに、相手が自分を疎んじているんだろうなと思うと、自分から連絡を断ってしまう。

 

・一方、職場では仕事を卒なくこなし、周囲からの評価も高い。それについては自分では問題とも思っていない。

 

・人生について、はかなさ、さすらう、異端、といったイメージがある。

 

これら3つの事柄は別々の気持ち・傾向に思えるかもしれませんが、セラピストとの間で自分を観察、探求していくうちに、こんなことに気づくでしょう。

 

3つとも、自分の「その場をなんとかしのいで切り抜けよう」という気持ちがあらわれているんだろうな。

 

2021年7月2日 佐藤