強迫性について③

生き延びるための手段

価値付けをする前のタイミング、つまり人生の早期で「生き延びるためには、漏れのないよう・失敗のないように◯◯しなければいけない」という強迫性心理が形成されます。

 

◯◯の部分が、成長するにしたがい、人それぞれの価値付けをまとっていき、人それぞれの強迫性傾向となっていきます。

 

さて、大元にある強迫性心理ですが、その背景には、「それをやらないと大変なこと≒孤独になること≒生きていけないのではないか」という奥にある根深い恐怖があります。

 

その恐怖は、親との関係性を生き抜く上で、要は親から見捨てられないがために、「完全な」安全を確保する防衛心理に発展していきます。

 

つまり「生き延びる」という生命に直結した衝動であり、これが強迫性心理や価値付けを推進する強いエネルギーとなっています。

 

強迫性の核心部分です。

 

生き延びる為だけあって、その圧力は強く、かつ無意識に形成されていく。

 

こう考えてきますと、親というしょせん自分とは全く別の人間に育てられるがゆえに、どうしても自分と一致しない部分=ズレが生じて、それが見捨てられる不安を呼び、生き延びる為の強迫性が生じる、そしてそれは人間にとって避けられるものだろうか?という連想に至ります。

 

2021年8月15日 佐藤