ふたつの抑圧
「「学校に行きたくない」と親に言えば、怒られたり、親を心配させたりするかもしれない。なんらかのかたちで親との間に何かいやなことが起きそうだ。」
つまり親との関係で不安になっている。
ですが、そんな気持ちを持ちこたえるのは、子供にとって重荷です。
親は子供にとり、非常に大きな存在ですから。
そして、子供の側には「親といざこざ起こすのはいやだなあ」という自分の気持ちをあまり明確に意識しようとしない心理が働きます。
親との緊張関係を想像するだけで苦しいから、その想像上の苦しささえも味わいたくない。
なので、風邪のような状態になることで、親に合理的な理由を言えますから、その苦しさを回避できるわけです。
こんなことが心身には起こり得ます。
但し、実際に風邪のような状態になるのは、もうひとつ理由がありそうです。
それは、そもそもの動機である「学校に行きたくない」自分の気持ちを考えることを避けているから、にみえます。
大元の自らの気持ちを感じないようにしていると言ってもいい。
まとめると、学校に行きたくない気持ち及び親と間の不安、そのふたつを抑圧していること、これは本当の意味でしんどい、だから風邪のような状態になると考えられないか。
表題に照らして大人の方に言えば、「会社に行きたくない」気持ちを感じないようにしていないですか?ということにもなってきそうです。
2021年12月8日 佐藤