その人の「一点」を見据える⑧

自分のリソースを知る

では外向タイプの人については、どんなメリットがあり、そしておちいりがちなデメリットとはどんなことが考えられるでしょうか。

 

外向タイプの基本的特徴として、人間関係に注意が向き、そのなかでの自分の位置や役割に関心がある、そんな気質が挙げられます。

 

そういうリソースを持っているのですが、このタイプの人は不安から逃れるために、人間間の力関係にアンテナを過敏に張って、上下関係とか序列のなかで自分がどこに位置しているかをつねに気にするようになります。

 

そのうち、人から良く思われることに最大の価値を置くようになり、気がつくと「自分がない」というむなしさに気づいたりする。

 

あるいは、組織の序列のなか等で、人にへつらえば相手に大事にしてもらえる、といういわば見返りを無意識に求める心理になる人もいます。

 

自分のポジションと相手にどう遇されるかだけが重要で、計算高いともとれる対人行動をとったりもするが、たまたま自分の思っていた通りの対処が相手からなされないととたんに不安が強くなる。

 

そういう、過度に人目を意識して、本当の意味では自分の気持ちを大事にしていない、自分をおろそかにしている、というこのタイプのデメリットが見えてきます。

 

一方、外向タイプには、本来情緒豊かでサービス精神があるというメリットがあります。

 

なのですが、自分をおろそかにしてしまう過程で、メリットをも抑圧する場合がありそうです。

 

人への配慮ができて、いい意味で世話焼きなパーソナリティなのにもかかわらず、本人は自分は人からうるさいと思われていて、輪の中でうとまれているという思い込みをもっている人もいます。

 

まずは、こういうメリットとデメリットの二つが自分の中にあるんだと整理していく、つまり自分のリソースを知ることが、不安が減っていく確実な道でもあります。

 

2022年7月6日 佐藤