カウンセリングの現場では①

機縁と対話

カウンセリングの現場では何が起こっているのか。

 

今回からは、改めてそんなことを考えていきたいと思います。

 

大前提として、人と人が出会い、話をする、そのことの大事さがあると感じます。

 

まずは、あたまで理解しうる言葉以前に、お互いがお互いの存在を感じる、分かってもらおうとする、分かろうとする、その態度からまたお互いが相手に何かを感じ、場の密度が高まっていく。

 

下地としてこんな雰囲気が流れだすと、「なにか」がおこる可能性が高まります。

 

これは、理屈以前の現象で、生命と生命が共鳴すると、根源的なエネルギーが動き出す、と言えそうです。

 

一期一会、機縁ということばが浮かんできます。

 

次に、人が他者と対話することにシンプルですが本質的な意味があると思います。

 

私が、ご相談者の話を聞いていると、全くその通りという話もありますが、一方で「おやっ」とか「あれっ」という感じで、疑問や違和感を感じる場面が必ずあります。

 

そこで「通常は、そこで○○しそうなものですが、□□さんはそうしないんですね?」と私が言うと、ご相談者はたいてい「あー、そういう考え方もあるんですね、気づきませんでした」とおっしゃります。

 

ご相談者にとっては、当たり前のこととなっている考えや価値観が、他者と対話することで、もしかして当たり前ではないのではと考え直すことは極めて重要で、事の大小はあれども、そんなことがたくさん繰り返されながらカウンセリングは進行していきます。

 

2022年8月26日 佐藤