カウンセリングの現場では⑥

罪悪感

罪悪感は、セッションで話題になることが非常に多い心理です。

 

罪悪感を根っこにして、自己犠牲的な行動をとるようになる人、自分や他者に対しルールに厳しくなる人、思い通りに事が運ばないことに不安になりやすい方向に向かう人等々いくつかの心理のパターンが思い浮かびます。

 

かく言う私も罪悪感をもっていますが、以前私の教育分析の際に罪悪感が話題になり、その時に先生が言った話が印象的だったので、書いておきます。

 

「アフリカ等で、内戦や民族紛争で親を亡くした子供たちが口を揃えて「お父さんお母さんがいなくなったのは僕(私)のせいだ」と言うのをテレビで見た。親が亡くなったのは明らかに子供のせいではないのに、子供ってそう思うものなんだ。」

 

この話には、真実があると思います。

 

言ってみれば、人間として生まれる限り、どう転んでも罪悪感を持ってしまうものなんだ、ということです。

 

罪悪感と近縁の心理には自己嫌悪、自己評価の低さ、(他者への)劣等感等があって、やはりこれらを根っこにして、色々な強迫的行動をとる心理につながっていきます。

 

ですが、ふと立ち返り、根っこにある罪悪感そのものの存在を再検討することが根本的に重要だと思います。

 

2022年12月9日 佐藤