カウンセリングの現場では⑦

自信について

自信がない、というセリフはカウンセリングの場でよく出てきますが、その背景を探ると意味深いものが見えてくると思います。

 

大まかに言えば、心理症状を持つ人は、数値的な指標とか明確なメリットがあるとされている方法、あるいは政府や大企業等今の社会で権威があるとされる機関の言説等、に信頼をおく傾向があると思います。

 

例えば、「これは○○値が高いので体にいい食べ物だ」ときちんとした(ようにみえる)書籍で紹介されているものがあればそれを買う、とか体調が少しでもおかしいと治してもらおうと思って病院に行く。

 

そのような人に限って「自信がない」という人が多いように見えます。

 

自信には目に見える根拠はないと私は思っています、但し目に見えないものを感じ取れれば、その声をきくことが出来れば、自信が持てるようになると思います。

 

目に見えないものとは何か、というと自分自身の感覚、持って生まれた気質や特性・リズム等です。

 

ですが、人は成長する過程で(前回書いたように)罪悪感や自己嫌悪をもつようになる。

 

そのことが自分の内側にあるだけに分かりにくいもの=自分自身を嫌悪(疎外)し、分かりやすいもの=数値や権威等に関心を奪われるようになることに繋がると考えられないでしょうか。

 

「自信がない」と言う人は頭でっかちだという印象がありますが、それは自分の心身の特性や自己治癒力を信頼出来ずに、頭で観念的に計算的に方法や解決法をぐるぐると考え続ける地に足のついていなさ、からくるものだと思います。

 

2023年2月1日 佐藤